2014年11月21日金曜日

今思うこれから。

蓮の花、さよならはエモーションのMVが公開になって
今作に関しての発表事は大体終わりです

今回の作品にも沢山の方々に関わっていただきました
色々な意見や考え方、沢山の人間の様々な選択と生活が滲み出た
非常に濃いシングルになったと思います

時間が無い中で、結果を出しながら自分達の音楽を拡げていこうとする事は
リスナーが批評家でもあるこの時代の中では本当に難しいですし
だからこそ面白い事だと感じながらここまでやってきましたが
正直疲れたなぁと思う時も沢山ありました
 皆さんが学校や仕事や家事などで感じる疲れと同じように


音楽を楽しみながら日々学び、仕事という側面を突き放してひたすら追求していくと
自然と世間が求める音楽とは乖離していきますし
かと言って
「仕事だから」と好きになれない感覚を世に放つ事は僕らにはどうしても出来ません

その狭間で、一線を跨ぎながら重心移動を繰り返す事がいつの日からか僕らの中の音楽になってきましたし
 それが「サカナクションらしさ」としてここまでやってこれた核だと思っております



昨今、グッドバイ、ユリイカ、さよならはエモーション、蓮の花とリリースしてきて
LIVEやフェスで盛り上がる音楽であったり、テンションが奮い上がる音楽を期待していたファンの方々からすると
物足りない曲だったかもしれませんが、それは僕らも承知しています


自分もミュージシャンになる前、ただのリスナーだった時

好きなミュージシャンの新譜を聴いて
「なんでもっと昔みたいな曲を作らないんだろ?」
「なんでもっと盛り上がる歌をつくらないんだろ?」
 と感じていたことがあります
なのでよくわかります

その一方、当時僕が追いかけていたミュージシャンの気持ちも今酷くわかるのです

皆さんが歳を取り
感覚や感情、味覚までも変化していくように
ミュージシャンも当たり前ですが歳を取り
感覚も変化していきます

ですからこのようなズレは仕方がない現象なのですが
 今向かっていくべき先は
多分ここにあるんだなと思っております

僕が思う
現代のツールを使って音楽を吸収するリスナー達が今求める音楽から得る気分と
 自分が今愛してやまない音楽から得る気分

その差異を
両方作り上げることで表現してみたい

今はそんなことを考えております



 先人たちが作り上げてきたこの日本の音楽シーンの中で 泳がさせていただけている以上 
その歴史に傷をつけないように
 いやある意味、爪痕を残すという意味で 傷つけながら
音楽を楽しんでいきたいと思っております


そして
これからも応援してもらえるように
頑張ります






一路
 

2014年11月4日火曜日

忘れたのか忘れてないのか


お洒落をして
好きな人と手を繋いで
お腹が減るまで 街を歩く人たち


電柱や
使われない公衆電話のように
僕はそれを傍観します

 テレビのリモコンをぽちぽちと押すように
心のチャンネル切り替えて
忘れてしまった感覚を思い出せたなら

また昔のように
せっせと書けるだろうか


一路